MetaTrader 5プラットフォームの新バージョンbuild 1340:モバイルへの便利な証明書の移動とテスターの改善

高度なセキュリティモードへ接続する為の、デスクトップターミナルからモバイルターミナルへの証明書の移動が快適になりました。 取 引プラットフォームには拡張認証がサポートされています。パスワードに加えて、口座は特別なSSL証明書によって保護されています。

13 5月 2016

ターミナル

  1. 高度なセキュリティモードへ接続する為の、デスクトップターミナルからモバイルターミナルへの証明書の移動が快適になりました。

    取 引プラットフォームには拡張認証がサポートされています。パスワードに加えて、口座は特別なSSL証明書によって保護されています。証明書は、口座の為に 取引サーバーで生成されたファイルです。このファイルは固有のものであり、これなしで口座へ接続することはできません。

    以前は、もし証明書がデスクトップターミナルを通じて要求および生成された場合、iPhone/iPadまたはAndroidでMetaTrader 5の口座を使用するには、そのファイルを手動でデバイスへ移動し、それからインストールする必要がありました。これからは証明書は快適に移動されます。

    どのように移動が行われるか
    証明書の移動は取引サーバーを介して行われます。

    • はじめに証明書はデスクトップターミナルで暗号化されます。口座の所有者は、証明書が安全なアルゴリズムAES-256を使用して暗号化されるパスワードを指定します。このパスワードはユーザーのみが知り得るもので、サーバーには送信されません。
    • 次に暗号化された証明書は、モバイルターミナルを介して取得されるまでの間(1時間以内)保存される取引サーバーに送信されます。
    • 証明書の取得の為には、ユーザーはモバイルターミナルを介して口座へ接続する必要があります。接続後すぐに証明書のインポートが提案されます。この為には、デスクトップターミナルで暗号化されたパスワードを入力する必要があります。

    証明書の移動は安全に行われます。取引サーバーは中間ストレージとして使用され、暗号化はクライアント側で行われ、証明書のパスワードは送信されたり、取引サーバーに保存されることはありません。

    証明書の移動方法
    デスクトップターミナルで口座へ接続し、コンテキストメニューの『証明書の移動』を選択してください。



    あなたが指示したことを承認する為に、口座のマスターパスワードを入力してください。次に、サーバーへの送信前に証明書が保護されるパスワードを設定してください。パスワードは8桁以上である必要があります。

    サーバーへの証明書の送信が成功した後、モバイルターミナルを開き口座へ接続してください。するとすぐに証明書のインポートを求められます。同意をして、デスクトップターミナルで指定したパスワードを入力してください。



    インポートした証明書は、『プログラムについてー証明書』で表示することができます。
    証明書の移動がサポートされた、iPhone/iPadまたはAndroid版MetaTrader 5モバイルターミナルは、近日リリースされます。

テスター

  1. より正確なテストの為に、指値注文やストップロス/テイクプロフィット注文の実行および作動アルゴリズムが変更されました。ビジュアルテストの機能が拡張されました。

    株式商品に対して何が変わったのか
    実 際の市場では、株式商品のチャートの構築と注文の実行は、取引の終値(Last)で行われます。リミットオーダーの作動は、Bid/Ask価格で行われま す。全てのタイプの注文は、常に現在のBid/Ask価格で行われます。より実際の条件に近づけるようにストラテジーテスターに変更が加えられました。
      以前
    現在
    作動 Bid/Askによる全てのタイプの指値注文とストップロス/テイクプロフィット
    Bid/Askによるリミットオーダー
    Lastによるストップ、ストップリミット、ストップロス/テイクプロフィット注文
    実行 注文で指定された価格による全てのタイプの指値注文とストップロス/テイクプロフィット
    作動時のBid/Ask価格による全てのタイプの指値注文とストップロス/テイクプロフィット

    Si-6.16での例を見てみましょう。現在価格が、Bid=72570、Ask=72572、Last=72552で、バイストップオーダーが72580で発注されました。価格変動で新しい現在価格は、以下のようになりました。

    • Bid=72588
    • Ask=72590
    • Last=72580


    株式商品では、ストップオーダー作動のトリガーはLast価格です。従って、Last価格が72580になったことで、バイストップオーダーが有効になり ました。以前では、この72580という価格は、この注文の実行に使用されました。買い操作の実行の為のAsk=72580という価格は市場にはないの で、このような動作は正しくないものでした。


    更新されたテスターでは、現在の買い価格はAsk=72590で、バイストップオーダーはこの価格で実行されます。このように、テスターの新しい取引実行 アルゴリズムは、より正確に実際の市場に対応しています。以前のアルゴリズムでは、取引操作は非市場価格で実行され、不正確なテスト結果に繋がっていたこ とでしょう。

    株式商品以外に対しては何が変わったのか
    株式以外の商品に対しては、アルゴリズムは以前のまま作動し ます。全てのタイプの指値注文とストップロス/テイクプロフィットにBidとAsk価格を使用します。実行モードが変更されました。以前は注文で指定され た価格で行われていましたが、これからは注文作動時の現在のBidとAsk価格が使用されます。

    ビジュアルテストの新しい機能
    ビ ジュアルテストでは、これからはバーのAskの最大価格とBidの最小価格のラインが表示されます。このようなチャートでは、バーの構築と注文の作動が Last価格で行われ、注文の実行はBidやAsk価格で行われる、株式商品でのエキスパートアドバイザーのテストが簡単になります。



    ビジュアルテストのチャートには、指定した日付へのナビゲーションの機能が登場しました。チャート上でダブルクリックをし、必要な日付と時間を指定してく ださい。また、チャートはあらゆる注文や取引に移動させることができます。取引操作の『取引』、『履歴』または『操作』でダブルクリックをしてください。
  2. テスター:テスター起動前の価格/ティックヒストリーのダウンロードのジャーナルが拡張されました。これからは、操作ログには履歴のダウンロードの終了、ダウンロードデータのボリュームとダウンロードにかかった時間が表示されます。
    2016.05.10 12:47:53    Core 1    5.10 Mb of history processed in 0:00.842
    2016.05.10 12:47:53    Core 1    GBPUSD: history synchronization completed [5225 Kb]

MQL5

  1. いくつかのケースでCopyTicks関数が要求したものよりも少ないティックを返すエラーを修正しました。
  2. テンプレート関数生成のエラーを修正しました。
  3. ドキュメントが更新されました。

クラッシュログで報告された不具合を修正しました。